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議会の活動

委員会行政視察報告

平成21年度 経済建設委員会行政視察報告(7月13日〜15日)

1 参加委員

委員長 兼村幹男   副委員長 新宅儀次郎
委員  浅原利夫、竹中一郎、右田芳雄、山田昌治、菊地隆次、村上満典、須子藤吉朗
        

2 視察月日

平成21年7月13日〜15日

3 視察先及び視察内容

静岡県沼津市 沼津駅周辺総合整備事業について
神奈川県秦野市 耕作放棄地解消に向けた取り組みについて
千葉県市原市 バイオマスタウン構想について

4 視察目的

・沼津駅周辺整備事業について、イベント施設「キラメッセぬまづ」開設から段階的に拠点整備を進められた事業の取り組み、また、「キラメッセぬまづ」を実地に調査するため。(静岡県沼津市)
・耕作放棄地対策解消に向けた取り組みについて市民ボランティアとの協働による取り組みをはじめとする諸活動を調査するため。(神奈川県秦野市)
・バイオマスタウン構想について、構想策定までの経緯とこれからの推進方針、バイオマスに関する既存施設を実地に調査するため。(千葉県市原市)

5 視察概要

静岡県沼津市沼津市現地視察「キラメッセぬまづ」 沼津駅周辺総合整備事業について  
〔内容〕
 沼津駅周辺整備事業は、沼津市が静岡県東部の拠点都市にふさわしい「人が輝き、躍動する交流拠点都市」として成長・発展していくために、中心市街地の交通問題の解消、鉄道をはさんだ南北市街地の一体化、新たな都市の魅力をつくるための土地利用の転換などを目的として進められています。
 環境や景観に配慮した、道路・公園・広場などの公共空間を整備すると共に、鉄道高架事業により生まれる鉄道跡地や高架下スペースなどの貴重な土地を利用して、高度な都市機能の導入が可能となり、IT(情報技術)・産業交流・高等教育といった様々な産業が集積され、若者も強く引きつけることができる、魅力と活力のある都心を目指すものです。
  この事業は、鉄道高架事業(JR東海道本線の高架化)、関連道路整備事業(鉄道高架に伴う道路整備)、土地区画整理事業(駅南・駅北地区の総合的な都市基盤整備)、特定再開発事業、市街地再開発事業、駅北拠点開発事業(拠点施設等の整備)、大手町地区第一種市街地再開発事業で構成されています。
  また、多目的展示施設「キラメッセぬまづ」は地域振興整備公団(現:都市再生機構)が施行する静岡県東部拠点特定再開発事業に伴い、平成8年度に市および県が取得した旧国鉄清算事業団用地(約5.6ha)の暫定有効活用策を検討する際、県東部地域の中核を担うにふさわしい魅力とにぎわいを創出するため、沼津駅北口における土地区画整理事業及び拠点施設の整備を行う駅北拠点開発事業の先駆けとして建設が計画されました。県東部地域の将来を考えるとき、地域経済の発展を支える拠点機能の一つとして、地域の経済界を中心に見本市や大規模イベントに対応できる展示イベント施設の必要性が叫ばれ、土地区画整理事業による敷地整理が行われるまでの間の土地の有効活用策として建設されたものです。
  この施設は、駅北拠点開発事業の実験的施設として計画され、実績データを集積・分析し、将来の施設計画に活かすために低コストで事業が実施されました。他の類似施設に比べ安価な料金設定とし、稼働率を上げることで収益性を上げています。
  平成10年度から19年度までの10年間実績は、日数換算稼働率74.6%、利用件数1,272件、入場者数4,192,204人、収入額176,253,015円です。
  平成20年4月、静岡県東部地域拠点施設整備構想が策定され、「キラメッセぬまづ」に代わる新たなコンベンションセンターの整備が進められています。(総事業費168億円 延床面積49,268u 会議場(県)、展示イベント施設・市民交流施設(市)、駐車場(市)、ホテル、分譲マンション)

〔所感〕
 事業主体が、異なる複数の事業を並行してタイミングよく進める必要がある中で、国・県・鉄道事業者等の関係機関や地元住民との協議や調整に時間と労力をかけ、段階的に市民の理解を得ながら事業を推進されていると感じました。また、総事業費が大きいことから、市民生活に直結する福祉や教育などの行政サービスを低下させることなく、堅実な財政運営のもとで事業を進めていくことが重要であり、事業費の縮減や財政見通しについて常に検証し、適正化を図っていくことが必要であると思います。また、国・県・市・鉄道事業者の役割と責任分担、各事業における事業主体と協力関係についても明確化されており、新山口駅ターミナルパーク整備事業においても参考とするべき点があると考えます。
 また、メッセ(多目的展示・イベント)施設については、新山口駅周辺において整備することを想定すると、阿知須地域の多目的ドーム「きらら元気ドーム」との役割分担や来場者用駐車場の整備、民間活力の導入、施設の運営管理手法等の課題を整理・検討する必要があると感じましたが、メッセ施設自体の地域経済への波及効果、事業所等の誘引を含め、交流人口の増加に寄与する面は大きいと考えます。


○神奈川県秦野市 耕作放棄地解消に向けた取り組みについて  
〔内容〕
 秦野市は神奈川県西部に位置し、昭和50年代まで葉タバコの栽培が盛んに行われておりました。現在は、大消費地である東京、横浜の近郊という地理的条件を生かし、施設園芸、露地野菜、花卉、果樹及び畜産などが盛んに行われています。特に、カーネーションやバラについては、品質の良さが高く評価されています。また、落花生の産地としても有名で、冷凍ゆで落花生「うでピー」が商品化され、特産品として定着しています。
秦野市行政視察  耕作放棄地解消に向けた取り組みの経緯については、経営耕地の8割以上を畑地が占め、利用集積等による規模拡大が困難な状況にあり、中山間地の狭小農地や鳥獣被害農地などを中心に荒廃化が進行しています。このため、農業委員会と市民ボランティアが連携して、耕作放棄地の解消に向けた取り組みが行われてきました。
  平成12年、農振農用地(754ha)についての農地管理状況調査を実施し、通常管理で利用可能なAランクの遊休農地38.69ha、簡易な整備で利用可能なBランクの荒廃農地21.05ha、重機等の大型機械による整備が必要なCランクの荒廃農地36.02ha、計95.8haの荒廃遊休農地が確認されました。
  そこで、荒廃農地解消対策部会(構成員:農業委員会、農協、市、県、市民ボランティアの会)による荒廃農地解消実践活動が実施され、農業委員及び市民ボランティア、農地所有者、地域農業者など約50名の登録者により、荒廃農地の解消に向けた取り組みが始まりました。平成20年度からは「はだの都市農業支援センター」が主体となって実施しており、平成13年から平成20年までの荒廃農地解消面積は897aであり、解消した農地は、専業農家への土地利用集積を始め、市民農園や中高年ホームファーマー農園等へ活用されています。
  「はだの都市農業支援センター」は、秦野市・秦野市農業委員会・JA秦野により平成17年に開設され、行政と農協が一体となって農地を守り荒廃農地の撲滅に取り組んでいます。事務所は、農協施設「JAグリーン」の2階に設置され、農業支援に関する窓口の一本化(ワンフロア化)を図り、6名のスタッフで、主な事業内容は、農地の貸借、経営規模拡大に関する相談や利用権の設定、荒廃農地解消の実践活動等の活動です。
  また、JAはだの本所敷地内に、地産地消を推進するために、地域の新たな直売拠点として、県内最大級のファーマーズマーケット「はだのじばさんず」を設立。出荷者総数550名で、平成17年度の販売額は7億円を超えています。視察当日も、新鮮な農産物や加工品を買い求める多くの人で賑わっていました。これら地産地消の取り組みは、地域農業の起爆剤となっており、解消した遊休農地の活用につながるとともに、新規就農者の生産物の販路となっているようです。また、都市近郊という地の利を活かしながら、定年帰農者や県の「中高年ホームファーマー事業」の活用などで、遊休農地の解消につなげています。
  一方、農業の担い手づくりの一環として、「はだの市民農業塾」が実施されています。3つのコースがあり、1年目は基礎セミナーコース、2年目は農業参画コース、3年目に新規就農コースを設け、10名の定員で毎週水曜日に開催されています。また、特定法人による農業参入に当たっては、秦野市独自の就農認定機関が設置され、審査が実施されています。

〔所感〕
 秦野市は、中山間地域に狭小な畑地が多く、畑作中心の農業であることから、本市の農業とは多少条件が異なるところもありますが、高齢化と担い手不足という点では、農業を取り巻く環境は共通しています。
 また同市は、農業委員会による農地管理状況の調査や、農産課による地域営農に関する意向調査などのデータを基に、荒廃・遊休農地解消や地域営農活性化の具体的な対策を行っています。農業に対する市の政策は、こうした調査の分析をもとに立案されており、定年帰農者等による生産活動を遊休農地の解消につなげるという方策は、都市近郊に位置する秦野市ならではの取り組みだと感じました。
 また、市民ボランティアによる耕作放棄地解消の取り組みは、消費者である市民の農業に対する関心の高さの現れであると考えられ、「市民農業塾」の実施と併せて、たいへん先進的な取り組みであり、本市においても参考とすべき事業であると考えます。
 一方、市農産課、農業委員会、農協による「農業支援センター」がJA秦野本所内に設置され、農業支援に関する窓口の一本化が実施されています。本市においても、同様の関係機関の円滑な連携に向けた取り組みや、地産地消の推進策として行っているファーマーズマーケット「じばさんず」の事例等はたいへん参考になりますが、広大な農用地を有する本市での事業展開については、地域ごとに販路拡大等の課題に対応する必要があると思われます。


千葉県市原市市原市現地視察「市原グリーン電力」 バイオマスタウン(※)構想について
  ※バイオマスタウンとは、地域における関係者の連携の下、バイオマス(家畜排せつ物や生ゴミ、木くずなどの動植物から生まれる再生可能な有機質性資源のこと)の発生から利用まで、効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われているか、あるいは今後行われることが見込まれる地域をいいます。
〔内容〕
 市原市の構想策定までの経緯については、国の取り組みである、「バイオマス・日本総合戦略」(平成18年3月改定)により、バイオマスの利活用推進に関する具体的な取り組みの行動指針が示され、これに、国産バイオ燃料の本格的な導入と林地残材等の未利用バイオマス資源の利活用等が盛り込まれ、千葉県においては、平成15年5月「バイオマス立県ちば推進方針」が策定されています。
  同市では、平成18年3月、改訂版「市原市環境基本計画」の策定と平成20年2月、「市原市地球温暖化対策地域推進計画」の策定により、「市原市バイオマスタウン構想」策定の取り組みが始まりました。
  この構想は、今後展開するバイオマス施策の基本的な取組方針として位置づけられ、その戦略イメージは、上位計画や市の特性を踏まえ、4つのバイオマス利活用ゾーン(ハイテク、アグリ、ウッド、フラワー)が設定されました。また、市内を南北に縦貫する小湊鉄道へのバイオディーゼル燃料の導入や、併走している国道でのバイオディーゼルトラックやバスの運行をイメージし、シンボル化されています。
  平成19年9月より庁内で策定に向けた検討が開始され、平成20年1月「バイオマスコーディネーター」からの最終報告書の提出を受け、3回の策定会議を経た後、平成21年1月に構想が公表されました。
  特徴的な取り組みとしては、メタンガス発酵によるエネルギー化、堆肥化、飼料化等、多様な変換技術の確立と、事業の具体化に向けた庁内組織である「バイオマス利活用推進委員会」の設置があります。各分野の意見を情報交換し、事業化に向けた仕組みづくりを行う推進委員会の設置により、他事業者や他分野との連携支援を実施していくこととされています。
  また、構想策定の効果としては、公表を受けたことにより、広く市民へ周知を図ることができ、一人ひとりの環境配慮意識の向上へつなげることが期待できるとのことでした。
  市原グリーン電力株式会社のバイオマス発電施設(2004年4月から建設。2008年2月稼動)については、三井造船千葉事業所内に建設された国内最大規模の施設であり、出力49,900kWで、バイオマスを用いて発電した電力のうち、発電所内使用分を除いた全量が東京電力に売電されています。燃料は、関東地区で発生した建築廃材の木質系チップを主燃料とし、紙・廃プラスチック固形燃料(RPF)も使用されおり、チップ製造事業者10数社とRPF製造事業者3社が運営する新エネルギー供給会社から燃料供給を受けています。
  このバイオマス発電施設の導入効果としては、年間約35万t(年間原油換算量約10万kl)の二酸化炭素削減効果が見込まれています。

〔所感〕
 市原市では、「バイオマス利活用推進委員会」を設置し、各分野の意見等を交換、協力関係のもとで、事業化に向けた仕組みづくりを進めることが、今後の課題とのことでしたが、市民や民間事業者等を含めた推進組織の活動が、構想の具体化に向けてたいへん重要であると感じました。特に、民間事業者等への交付金や助成金等の情報の提供や、他分野との連携も必要と思われ、これからバイオマスの利活用に取り組む事業者と農林業者等との連携を支援する面からも、庁内組織の体制強化は必要不可欠と考えます。
 また、市原グリーン電力のバイオマス発電施設については、原料である木質系チップの安定供給が難しいとのことでしたが、本市において同様の施設整備を計画する場合には、事前の分析・研究が重要であり、間伐材等の未利用資源も活用できる構想が望ましいと思われます。今後本市においても、環境問題や農山漁村の活性化対策の取り組みを強化しなければなりませんが、事業実施に当たっては、自治体や民間企業を含め多くの市民の協力が必要なことから、市単独での実施より、県との連携や広域で対応することで、効率的で効果的な事業の推進が期待できるのではないかと考えます。

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