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議会の活動

委員会行政視察報告

平成22年度 総務委員会行政視察報告(11月9日〜11日)

1 参加委員

委員長 原田清   副委員長  田中勇
委員  小林訓二、伊藤青波、藏成幹也、村上満典、山本功、菊地隆次、小田村克彦


2 視察月日

平成22年11月9日〜11日

3 視察先及び視察内容

京都府京都市 廃校施設を活用した文化施設について(京都国際マンガミュージアム)
新潟県上越市 ふるさと暮らし支援センターについて
東京都八王子市 指定管理者制度について

4 視察目的

・本市における空き空間の利活用の取り組みの参考とするため、廃校施設を文化施設として利活用している先進的な事例を調査するため。(京都府京都市)
・本市における定住支援施策の取り組みの参考とするため、先進的な事例を調査するため。(新潟県上越市)
・本市における指定管理者制度の取り組みの参考とするため、モニタリング制度を導入している先進的な事例を調査するため。(東京都八王子市)

5 視察概要

京都府京都市 廃校施設を活用した文化施設について(京都国際マンガミュージアム)  
〔内容〕
 京都国際マンガミュージアムは、京都のさらなる発展のための新たな都市施設として、京都市と京都精華大学との共同事業により、マンガ資料を収集・保存し、それらを基にした研究成果をベースとして、研究機能、博物館・図書館機能、生涯学習機能、新産業創出、人材育成機能を有するわが国初のマンガ文化の総合拠点として、平成18年11月25日に開館しました。
  建物は、元京都市立龍池小学校の昭和4年建造の校舎を利活用し、当時の佇まいを残したものです。 開設の背景には、次の3点です。
@ マンガ文化の継承・発展の必要性から、新しい文化の一領域として認知されてきたが、その多くが散逸、欠損している状況にあり、早急に体系的に収集、展示及び保存を行う必要性から、総合拠点の整備が求められていた。
A 新たな都市戦略の手段としてのマンガは、生涯学習、文化創造、観光振興、産業振興など幅広い分野において多くの可能性を持っている。
B 京都とマンガ文化について、日本マンガの起源とされる国宝「鳥獣戯画」、絵巻物など京都には現代マンガに通じる多くの文化財が存在しており、歴史をかえりみた時、マンガの過去と将来を融合、発展させる都市としては京都が最適であると考えた。  
京都国際マンガミュージアム  施設の概要は、旧龍池小学校校舎を増改築した延べ床面積5,010u、地上3階地下1階。一般公開のミュージアムエリア、京都精華大学研究エリア、地元占有エリアから構成されており、資料の収蔵点数は約30万点で、世界最多とされ、多くの寄贈によって資料が収集されました。  
  公民協働(PPP=Public-Private Partnership)の考えに基づいて開設されたもので、計画を市と大学で策定し、市が土地・建物を提供、市と大学で組織される運営委員会の下、大学がミュージアムを管理・運営し、研究成果やノウハウが提供されています。
  具体的には、事業主体は、京都市と京都精華大学との共同事業であり、施設の管理は、京都市と京都精華大学との使用賃貸借契約に基づき、京都精華大学が利用、管理を行っています。運営は、京都市、京都精華大学他からなる京都国際マンガミュージアム運営委員会が、運営・事業企画などを統括。管理運営事務は、京都精華大学が採用したミュージアム職員と京都市の職員(係長1名)による事務局体制により行われています。現在の館長は、東京大学名誉教授で解剖学者の養老孟司氏。  
  総整備費は12億円。そのうち、約5億円弱は文部科学省の補助金で京都市からは負担金補助として1億200万円を負担。地元の龍池学区自治連合会から人工芝の整備のために、1,000万円の寄付がありました。
  平成18年度開館以来平成22年8月までに100万人を突破、平成21年度の年間入館者数は300,187人でした。  
  今後の事業展開について、平成18年度から博物館図書館機能の充実(第一次事業展開)、研究機能の強化(第二次事業展開)を経て、平成20年度から第三次事業展開に移行しており、新産業創出、人材育成機能の展開として産学官連携によるビジネスモデルの研究開発、学芸員・司書の育成を行っています。  
  そのほか、京都精華大学は、企業、官公庁、各種団体からマンガを使った教材、啓発用パンフレット、広報・PR資料などの制作を精力的に受託しています。こうした分野は実用マンガと呼ばれ、制作に携わった卒業生の中からプロとしてデビューした人もいます。マンガの可能性を広げ、卒業生の活躍する場づくりに結び付けようという試みであり、「龍池小学校史」など、幅広いテーマを依頼されています。   
  平成20年9月には第9回国際マンガサミットが京都市において開催されました。

〔所感〕
 日本初のマンガ文化の総合的な拠点施設であり、日本のマンガ文化を世界へ発信し、次世代へ継承する取り組みを推進するというたいへん先進的な施設でした。入館者数も年間30万人を突破し,うち外国人が1割強を占めるなど,名実ともに日本のマンガ文化の代表施設として認知されているとのことです。京都市のみならず、我が国のマンガ文化を世界に発信しており、名実ともに日本のマンガ文化の代表施設として認知され、現在では、人材育成やマンガコンテンツによる新産業の創出に取り組まれていました。
 施設の大きさから、小学校廃校の利活用といった範ちゅうを超えている感があり、事務局や研究室機能のさらなる充実も必要となっている時期であると思われました。産学官が一体となった取り組みを推進し、マンガ、アニメーションを含め、この施設がメディア芸術情報拠点の施設ともなりえていることを考え合わせると、地域とのつながりを含め、文化振興、観光振興策、そして新産業の創出である産業振興の施策からも、山口情報芸術センターを初めとする本市の関連施設の今後の取り組みを検討する上で、参考とすべきものが多くありました。
 京都市の小学校は,明治維新後の京都の再興策として,全国に先駆けて明治2年から次々と開校したもので、当時新たに編成された自治の単位である「番組」ごとに小学校が開設され、当時の住民の思いは、人づくりによる京都の再興であったとのことでした。この考え方から、小学校跡地の活用に当たっては、こうした創立に込められた京都再生への思いや、地域の中心として今日まで地域ぐるみで育成し、そしてこのたび、子どもたちの教育の充実を目指して、小学校の統合という学校創立以来の英断がなされてきた歴史的経過について十分配慮することが必要であるとのことでした。本施設の整備に地元の龍池学区自治連合会から人工芝の整備のために、1,000万円の寄付があったのは、歴史に裏打ちされた地域住民の思いが込められているものであると感じました。
 全国では、市町村合併や少子高齢化により、公共施設の余裕空間が増大しており、本市においてもその例外ではなく、公民協働(PPP=Public-Private Partnership)の考えに基づいて開設された京都国際マンガミュージアムは、本市でこの手法を検討する場合には大いに参考とすべき事例であると考えます。
 運営面では赤字であり、苦心されており、京都市は公共用地及び施設の無償貸与をしており、年間運営費の補助を行うことは困難であるとのことであり、国等からの補助金や助成金を活用するなど、運営経費について今後どのような工夫をされ計上していくこととなるのか、予算面での課題がありました。
 

○新潟県上越市 上越市ふるさと暮らし支援センター  
〔内容〕
 上越市ふるさと暮らし支援センターは、首都圏の団塊の世代を主な対象とし、移住希望者を積極的に迎え入れるために平成19年4月1日に設置したもので、上越市への移住に係る情報発信及び相談対応(ワンストップ窓口の設置)を行っています。
 事業は、次の5項目について取り組んでいます。
(1)相談対応
 上越市が会員(年会費5万円)となっているNPO法人ふるさと回帰支援センター運営のふるさと暮らし情報センター・銀座及び新潟県が運営する新潟館ネスパスと連携し、首都圏における移住相談に対応しています。
(2)情報発信
 情報発信については、相談を受け付けた人やセミナー参加者等からなる定期発送名簿により、観光イベント、農業体験、不動産、求人等の資料を定期的に送付している。首都圏においては、銀座センター及びネスパスと連携し、パンフレットや各種イベント情報を設置している。ホームページも開設しており、平成20年開設以来25,000件を超えるアクセスがあります。
(3)首都圏でのセミナー、イベント
 首都圏でのセミナー、イベントの開催については、単独のセミナーとして、移住のきっかけづくりを目的として、市での暮らしの照会や移住者の体験談、田舎料理の試食会、戸別相談等を実施しています。
平成19年度から平成21年度まで、8回の開催で209人の参加者がありました。(平成22年度は実施の予定はなし。)
 ふるさと回帰フェアとして、毎年9月に開催される全国規模のイベントで、NPOふるさと回帰支援センターの主催により、東京及び大阪で開催され、上越市としては、平成19年度から平成21年度まで3回出展しています。
上越市  にいがた暮らしガイダンスとして、新潟県が主催するもので、平成19年度から開催されており、上越市は8回参加しています。ネスパスを会場として、田舎暮らしに関する著名人の講演や移住者の体験談、県内市町村による個別の相談会が実施されています。
(4)田舎暮らし体験用中期滞在施設
 上越市大島区板山の古民家の空き家を改修し、田舎暮らし体験用の施設として整備運用していた施設を、平成21年度から市の委託事業として管理運営しているもので、農業体験を初め、不動産の現地確認や近隣の散策をされる方が主に利用されています。利用料金は、1日3,800円、1週間20,000円、1カ月50,000円で、平成19年度1組1人、平成20年度4組7人、平成21年度7組23人が利用されました。
(5)空き家の活用
 空き家の活用については、平成19年度に、にいがた田舎暮らし推進協議会が空き家調査を行い、活用可能な空き家36件を把握。このうち、売却の意向が示された3件について、ホームページで売却物件として情報提供し、3物件のうち1件の物件を東京からの移住者に平成21年5月に売却しました。
 上越市への移住実績は、平成19年度から平成22年度までの4年間で、10世帯18人となっています。  

〔所感〕
 都市部の団塊の世代を中心とした都市部住民の田舎暮らし志向の高まりを受けて実施している事業であり、その中で空き家の利活用の取り組みについては行政側だけでなく、受け入れ側である地域住民が一体となった受け入れ態勢を整えることが大切で、地域住民に対して意識を深めてもらうなどの十分な広報が必要と思われます。
 そのためにも、空き家の実態調査と受け入れ地域の住民の意識調査を行い、受け入れ側の行政がしっかりとした空き家情報を把握したうえで情報の発信を行い、移住希望者のニーズに即した相談に応じることが重要であると感じました。また、地域住民に対しても定住支援のための施策についての理解を深めてもらうことが重要であると感じました。
 民間事業者と業務が重複する面がありますが、行政が関与することで制度の利用者には一定の安心感が生まれ、本市への定住促進につながるものと考えます。また、中山間地域の集落機能や活力の維持という点においても関与はある程度必要であり、個別に対応するより、組織として移住希望者に対応できるシステムが必要であると考えます。移住希望者への対応はかなり労力がいるとのことであり、固定した者が継続して、専任の職員が対応することが望ましいとのことでした。職員の対応が移住への決断を大きく左右する側面が大きいことから希望者のペースに合わせることが必要であると感じました。また、まちの総合的な評価も移住希望者の最終的な定住につながることもあり、移住・定住対策を含め、庁内の全庁的な連携による総合的なまちづくりにつなげていくことも必要があると考えます。例えば、少子化・子育て対策、就業環境、交通対策などについても、移住者の視点からも整備を進める必要があり、UJIターンをされた方やその地域の方々とのネットワークを形成し、UJIターンをされた方が不安なく住み続けられるような、人のあたたかさを感じる地域コミュニティーづくりを推進することが必要になると思われます。
 また、空き家等の不動産情報の取り扱いとその活用については、民間業者との役割分担や連携の必要性、さらに広域的な連携による定住促進への取り組みも効果的であることから、県や隣接市町との広域的な連携も必要ではないかと感じました。   


東京都八王子市 指定管理者制度について 
〔内容〕
 八王子市の指定管理者制度の導入状況は、平成22年4月1日現在、904の施設で、この内、指定管理者の種別は民間企業(企業連合体含む)が779施設、外郭団体が85施設、社会福祉法人・公共的団体が22施設、NPO法人・地域団体等が18施設となっています。共同企業体を含む民間企業が管理運営を行っている施設が最も多いことが特徴としてあげられます。また、都市公園、保育園、市営住宅についても指定管理者制度が導入されています。
  八王子市 指定管理者制度の基本方針において、指定管理者制度モニタリングガイドラインに従い、指定管理業務に係るモニタリングを実施することを協定書において定め、その評価結果を公表しています。  
  このモニタリングの目的は、協定内容の履行を確保し、市民サービスの質の向上とコストの削減が図られているかを検証して、指定管理者制度の運用面でのPDCAサイクルを確立することにあります。  
  事業期間終了後のみならず、事業期間中において期中モニタリングを行い、協定内容や計画の進捗状況をチェックすることでサービスの向上につなげています。  
  モニタリングの手法の一つとして、「利用者満足度調査」を実施して、施設の利用者に直接アンケート調査を行っています。指定管理者自身が利用者の満足度や意見を管理運営に取り入れることにより、速やかに、かつ多くの経費をかけずに柔軟な工夫を行うことによりサービスの向上を図ることに実績が出ています。また、利用者へのサービスの向上を図っています。利用者の声に対して速やかにかつ柔軟な工夫を行うことによってサービスの向上を図ることに効果があると考えられています。これらモニタリングの結果は、すべてホームページで公開しています。

〔所感〕
 八王子市の指定管理者制度のモニタリング手法においては、利用者満足度調査を実施することにより、利用者から直接、施設利用者の満足度や意見を取り入れることの重要性を指定管理者に意識させ、指定管理者制度の目的の一つである市民サービスの質の向上をより効果的に実現させるものでした。
 本市においても指定管理者制度の選定が2巡目を迎える施設が多く、制度の導入以降、経費の削減等のメリットは認められるところではありますが、その一方で、運営上主体性が乏しくなり、機動性や弾力性のある運用ができにくくなったという点が指摘されています。行政側に判断を求められることが多くなり、その点で、所管部署の管理が徹底されていないと感じられる場合、利用者が不自由を感じているのではないかと危惧するところであり、その対応策としてのモニタリング制度でもあると考えます。
 八王子市においては、情報公開がしっかりしている点に加え、運用面でのPDCAサイクルの確立を目指すことにより、市民満足度も順調に推移しており、満足度の低下が見られる施設においては、適正な改善措置が行われなかった指定管理者と契約更新を行われなかった事例があり、調査方法や調査時期、分析手法、次回契約への反映など参考とすべき点が多くありました。
 今後は、制度の改善に加え、職員の研さんも積み重ねながら、適切な施設運営を図り、確実な協定の履行を確保するとともに、モニタリング結果を改善につなげてサービスの向上を目指すことが必要であると感じました。
  なお、八王子市においては、保育園、都市公園、市営住宅についても指定管理者制度が導入されており、責任、サービスの競争、公平性、透明性、地域性、経済性、あるいは安心・安全の確保などを含め、その動向には注視する必要があると感じました。  

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