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議会の活動

委員会行政視察報告

平成23年度 環境上下水道委員会行政視察報告(7月5日〜7日)

1 参加委員

委員長 原田欣知  副委員長 原 真也
委員  浅原利夫、野村幹男、藤本義弘、伊藤 斉、平田 悟、佐田誠二

2 視察月日

平成23年7月5日(火)〜7日(木)

3 視察先及び視察内容

・熊本県水俣市   環境モデル都市の取り組みについて
・福岡県大木町   大木町有機資源循環事業(おおき循環センター)について
・佐賀県佐賀市   「環境都市さが」の取り組みについて

4 視察目的

【水俣市】
・全国ではじめて「環境モデル都市づくり宣言」を行い、いち早くごみの分別(現在22分類)、減量に取り組むとともに、水俣オリジナルの家庭版・学校版の環境ISO制度など各種制度を立ち上げ、様々な地球温暖化防止活動や環境保全活動に市民協働で取り組んでおり、本市の今後の市民を巻き込んだ環境施策のあり方を探る上で同市の状況を調査することを目的とする。
【大木町】
・生ごみやし尿などから有機肥料を作り、それを使って生産された作物のブランド化、地元消費に結びつけている資源循環システムを構築しており、本市のごみ処理量のうち大きな割合を占める可燃ごみの減量の手法を探る上で同町の状況を調査することを目的とする。
【佐賀市】
・エコアクション21取得への支援や学校版環境ISOの取得、佐賀環境フォーラムの開催等、市民や企業、教育機関と一体となった「環境都市さが」の取り組みを推進しており、本市の今後の環境施策のあり方を探る上で同市の状況を調査することを目的とする。

5 視察概要

○熊本県水俣市 環境モデル都市の取り組みについて
〔内容〕
 水俣市は、1992年に全国で初となる「環境モデル都市づくり宣言」を行い、これに基づく取り組みが評価されたことにより、2008年には、国の環境モデル都市に認定されました。翌2009年には、低炭素社会を目指す市民共通の目標として、また、同じ思いを持つ仲間どうしがつながることを目的として「ゼロ・ウェイストのまちづくり水俣宣言」が行われました。
水俣市のゼロ・ウエイストへの道 具体的な取り組みとしては、1993年から全国に先駆けてごみの分別(現在は22品目)に取り組むとともに、1999年には市役所が全国で6番目となるISO14001の認証取得をしています。市役所の認証取得をきっかけに、家庭版、学校版、保育園・幼稚園版といった水俣市独自の環境ISOも誕生し、住民、事業所、行政が一体となった「水俣地域全体丸ごとISO」を目指した取り組みがすすめられています。市役所のISO14001については、認証取得から4年後の2003年に「自己適合宣言」を行い、監査評価を市民が行う市民監査制度(委員8名)が導入されています。
  そのほか、地域の環境を守り、環境に配慮したものづくりを多くの人に知ってもらい、継承していくための事業として「村丸ごと生活博物館」(頭石村)や「水俣環境大学」(平成22年度の受講者は市外県外の人も含め35名)、「水俣市環境マイスター制度」(平成23年7月1日現在で34人の認定)等の事業に取り組まれています。
 「水俣環境大学」の取り組みは、水俣病からくるイメージの払拭、交流人口の増加も目的としており、水俣市の魅力を伝えてもらうために、受講修了者は環境大使に任命されています。
 また、市民の環境に配慮した生活を促すための仕掛けとして、環境型モデルハウスやその建築促進補助事業(最大180万円)等の取り組みが進められています。
 これら環境モデル都市づくりを市民と協働で進めていくために、具体的な取り組みを考え、実行し、見直していくことを目的として「円卓会議」(ゼロ・ウェイスト、食と農と暮らし、自転車・公共交通、ISOのまちづくり、環境学習の5つのテーマ)が設置されており、この中から、マイボトルを持参すれば「みなまた茶」を低価格で提供する給茶スポットを街中に設置する「茶のみ場」や「市民自転車共同利用システム」の事業も生まれています。
〔所感〕

 水俣病の教訓と行政による協働の仕掛けづくり(「円卓会議」を初めとする「水俣環境大学」や「水俣市環境マイスター制度」、ISO「自己適合宣言」による市民監査制度の導入等)によって、市民、企業、行政等、まち全体が一体となった取り組みを強力に進められていると感じました。
 また、山間部の地域を環境博物館とし、そこに暮らす住民を学芸員として、自然に囲まれた暮らし方を伝授する「村丸ごと生活博物館」の取り組みや環境にこだわったものづくりをする人を認定する「水俣市環境マイスター制度」等の事業は、単に環境を保全するだけでなく、環境をキーワードに地元の人材を育て、地域の活性化につなげようとする取り組みであり、山口市の中山間地域の振興にあたって参考になる事業であると感じました。
 さらに、地元の木材を使用する等環境に配慮した住宅建設を行うことに対し補助を行うエコハウスの建築促進補助事業は、建築業者からの環境配慮手法に関する提案も受け入れる等、地元建築業者のスキルアップも視野に入れた事業であり、減農薬によって生産された地元産のお茶のPRとごみ減量の双方を目的とする「茶のみ場」事業とあわせ、環境と産業をうまくリンクさせた非常に参考になる事業であると感じました。
 水俣市の環境に関する取り組みは決して特別なものではありませんが、まちづくり宣言という形をとって、市民に分かりやすく目標を示すとともに、それぞれの事業は、非常に多岐にわたる一方で、一つひとつの取り組みは市民目線で非常に細かく検討され、広い効果を期待できるものであると感じました。
水俣市での視察風景

○福岡県大木町 大木町有機資源循環事業(おおき循環センター)について
〔内容〕
 大木町は、人口が14,500人、世帯数4,300世帯で、町の14%を掘割が占める農業中心の町です。
 おおき循環センターは、生ごみ・し尿・浄化槽汚泥からメタン発酵技術によりバイオガス発電と有機液肥を生産する施設として、また、その有機液肥を使って生産された農作物を販売する等、環境・農業・食をつなぐまちづくりの拠点として約11億円をかけて整備された施設です。生ごみの処理方法としてメタン発酵技術を用い、またし尿もあわせて処理する当該施設は、全国でもめずらしい事例となっています。
 同じ敷地内に農園、公園、農産物直売所、地産地消レストラン、バイオガス生成プラント等があり、循環システム全体を一望にみることのできる施設となっています。
 生ごみは、家庭ごと全戸配布したバケツに保管し、概ね10世帯に1箇所設けた収集場所(収集日の前日にバケツを設置)に週2回搬出することになります。生ごみを「はだか回収」とすることで、異物の混入を少なくすることができているようです。収集は年末年始の3〜4日の休み以外は、土日も含め行っています。
 施設の稼動により、燃やすごみの量が平成17年度比で概ね45%程度減少しており、燃やすごみ、し尿の処理費の削減額は2,750万円となっています。
大木町での視察風景  施設の運転管理は、(株)大木町健康づくり公社(三セク)に委託しています。当初は設備の製造メーカーから技術者の派遣を受けていましたが、1年経過後からは、市の派遣職員等のみで運転管理を行っているとのことです。設備の核となる部分のメンテナンスや初めての部品交換については製造メーカーに委託していますが、設備の核となる部分を除き、2回目以降の部品交換は可能な限り自ら行うことにより、運転管理経費を低く抑えているとのことです。
 できた液肥については、農家への配布(液肥代は無料だが、散布料が反当り1,000円)のほか、住民にも販売されており、農地への散布のために散布車を2台購入されています。散布に当たっての労力が省けることや費用が安いことから、液肥の購入を希望する住民は多く、現在は希望者に対し2年に1回の散布しかできない状態となっています。
 今後の課題としては、液肥の需要がなくなるとリサイクルシステムが止まってしまうことから、将来的な需要拡大もにらみ、現在はあまり作られていない野菜の生産拡大やブランド化、また、食品リサイクル法により引き合いの増えている食品メーカーとの関係構築(現在は地元から出た生ごみ等しか扱えない決まりとなっています)があげられました。
〔所感〕
 人口が14,500人の大木町でごみ処理の過程からエネルギーと肥料を取り出し、それにより農産物を生産し地元で消費するという循環システムが機能していることは、資源化にあたってのし尿等の供給量不足や生成される堆肥の質に対する懸念がいわれている中で、その解決のために参考になる事例であると感じました。
 また、循環システムがしっかりとごみ処理量及びごみ処理経費の削減につながっており、それを職員が検証していること、また、運転管理を設備の製造メーカー任せではなく、可能な限り職員が行うことにより経費削減に取り組まれていることには非常に感銘を受けるとともに、山口市における施設整備や管理において参考とすべきであり、議会としてもしっかりチェック及び支援していく必要性を感じました。
 さらに、大木町は平成20年3月に「もったいない宣言」(全国で2番目のゼロウェイスト宣言)を議会の発議で行い、市の行う資源循環事業を側面支援されています。山口市議会としても、今後の具体的な行動手法の一つとして検討していく必要性を感じました。

○佐賀県佐賀市 「環境都市さが」の取り組みについて
〔内容〕
 佐賀市は、平成22年2月に「佐賀市環境都市宣言」を行い、その後策定した「佐賀市地球温暖化対策地域推進計画」により、温室効果ガス排出量を2014年度までに1990年比6%(2007年度比では23.3%)削減すべく取り組まれています。
 宣言後の主な取り組みとしては、生ごみの堆肥化や紙類のリサイクルに係る排出方法の見直し等による燃えるごみの排出削減(2012年度までに2008年度比10%削減)やコンテストを取り入れた緑のカーテンの推進、二酸化炭素の削減と市民意識高揚のための市民ひとり1本の植樹、LED照明購入や太陽光発電設備の導入補助、中小企業が省エネルギー・新エネルギー設備を導入することへの補助、学校版環境ISOの取得(すべての小学校において取得)や大学と連携した環境学習の推進等があります。
 市役所も平成14年にISO14001の認証取得をし、環境保全活動に率先して取り組んできましたが、現在は、市独自の環境マネジメントシステムに移行し、同じく独自の環境マネジメントシステムを運用している佐賀大学との連携により相互で外部審査を行っています。
 特徴的な取り組みとしては、紙類のリサイクルに際しての排出方法を、紙ひもで束ねていたものを、紙袋の使用という市民にとって手間のかからない方法に変更したところ排出量が増加したことやLED照明購入補助事業に対する市民の関心が非常に高かったことが紹介されました。また、自治会予算に売電収入が計上されることによる市民への啓発効果を期待して自治公民館への太陽光発電導入補助事業を始められたことについては、今後の効果が期待されるところです。
 さらに、本年の4月から佐賀市下水浄化センターに同施設で発生する消化ガス(メタンガス)を燃料として発電し、その電気を下水処理設備の機器の運転に使用する「バイオガスマイクロコージェネレーション」システムを導入されています。これによって生成される堆肥の販売は、下水道事業の収支改善に貢献しているとのことでした。
〔所感〕
 「佐賀市環境都市宣言」にもとづき、多様な環境施策に取り組まれていますが、紙類のリサイクルで紙袋の使用を認めたことやコンテストを取り入れた緑のカーテンの推進、市民ひとり1本の植樹等、一つひとつの取り組み自体は、特別なものではなく、意識と知恵があればできるものであると感じました。
 しかしながら、「佐賀市環境行動指針」等で、環境への効果を表す指標を市民に分かりやすく「二酸化炭素の排出量」から「電気料金」に変更されるなど、市民目線に立つことに徹底された職員の姿勢に感銘を受けました。
 また、地域の特性を理解した上で、市民、事業者との共通理解のもと施策を展開する姿勢や市民一人ひとりに行動を起こさせるための仕掛けづくり、さらには、地域、事業者、団体等に連携、協力を呼びかける仕掛けづくりのうまさを実感し、本市においても大いに参考にすべきものと感じました。
 佐賀市下水浄化センターの「バイオガスマイクロコージェネレーション」システムについても、大木町のシステム同様に、発電に必要な下水道汚泥の供給量不足や堆肥の質の問題を解決するために参考となるものであり本市においても大いに参考にすべき事業であると感じました。
佐賀市での視察風景

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