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委員会行政視察報告

平成23年度 総務委員会行政視察報告(5月10日〜12日)

1 参加委員

委員長 原田 清  副委員長 田中 勇
委員  小林訓二、伊藤青波、藏成幹也、山本 功、菊地隆次、小田村克彦

2 視察月日

平成23年5月10日(火)〜12日(木)

3 視察先及び視察内容

・三重県松阪市  入札制度について
・三重県伊勢市  電子入札制度について
・岐阜県各務原市 公会計制度について

4 視察目的

・市民から信頼される公共事業のための入札制度改革として、公正、公平を保ち、厳正を維持している点がユニークで徹底しているという点を調査するため。(三重県松阪市)
・本市における入札業務の取り組みの参考とするため、先進的な事例を調査するため 。(三重県伊勢市)
・本市における公会計制度導入へ向けての取り組みの参考とするため、公会計制度をいち早く導入している先進的な事例を調査するため。(岐阜県各務原市)

5 視察概要

○三重県松阪市 入札制度について
〔内容〕
(1)入札制度改革の背景
  平成13年度から平成15年度にかけての建設工事に絡む汚職、談合、贈収賄事件等を受け、また、国の法整備(入札契約適正化法、官製談合防止法)もなされたことから、入札制度改革に取り組んでいくこととなりました。
(2)入札制度の概要
 @条件付き一般競争入札
 平成14年度から入札参加希望者の受注意欲を尊重する「条件付き一般競争入札」を採用しています。入札参加を希望する者で参加資格条件を満たす者はすべて入札に参加できるものです。
 従来の指名競争入札から入札(契約)における公平性、透明性、競争性を確保させる上で、入札制度改革の目玉となっています。特に、工事・工事委託に係る設計価格事前公表型の入札分における予定価格の算出は、予定価格を決定するための「くじ」を引いてもらい、「率」を算出します。
 A地域指定型条件付き一般競争入札
 平成17年1月に市町村合併に伴い、旧市町の業者が新たな入札制度により、仕事の受注が激減することがないよう、3年間の経過措置として、1,500万円以下の土木一式工事と水道工事において、旧郡部と旧市エリアを残した形で発注しました。
 その後、措置期間も過ぎましたが、災害時や冬場の除雪作業等で地元業者に支援を受けることや、また、地元業者の育成、保護についても考える必要があるため、継続して措置をとっています。
(3)入札制度改革の成果
 入札制度改革に取り組んできた結果、その成果として以下の四点が上げられます。
 @公平性、競争性、透明性が確保された。(談合ができない仕組み)
 A発注者の恣意性が排除された。(業者に対しての思いを排除する仕組み)
 B工事の品質が確保される。(競争性を高めることにより、品質向上につながる)
 C電子入札導入に伴う事務量の軽減(行政、業者双方) (4)電子入札システムについて(概要)
 横須賀市を中心とする10の連携自治体で共同利用しています。(秋田市、富山市、福井市、宇都宮市、横須賀市、安城市、明石市、伊勢市、下関市、松阪市)
 平成16年度から建設工事の入札を電子で行い、平成17年度から測量設計業務委託を行い、平成22年10月から物品購入等の入札においても、電子入札を導入しています。 (5)電子入札システム導入の効果
 メリットとして、以下の五点が上げられます。
 @入札業務の大幅な縮減と効率化(開札が1件あたり5分になった)
 A入札参加申請や参加資格審査、また開札業務における人為的なミスが無くなる。
 B発注広告、開札情報、入札結果などが自動公表となり、公平性、透明性が担保される。
 C入札結果の速報性。(開札と同時に結果がHP上に流れる)
 D業者、行政とも人的な経費が節減される。
 デメリットとしては、以下の二点が上げられます。
 @入札が不調となった場合、再入札ができない。
 A入札システム制度そのものが固定化することが危惧される。(システムの改修には、費用がかかる)
(6)今後の課題、問題点及び方針
 今後の課題、問題点及び方針については、以下のとおりです。
 @最低制限価格制度の見直し 定率制度⇒変動型
 A工事品質の向上と入札参加資格要件
  ・施工管理体制の充実と適正な工事評価の取り組み
  ・工事成績評点の入札参加用件への反映
  ・予定価格、最低制限価格の事後公表(算出方式の改正)
  ・総合評価落札方式(特別簡易型)の試行拡大(価格以外の要素の総合的な評価制度)
  ・地域指定型条件付き一般競争入札制度の見直し
  ・随意契約の適正化促進(松阪市入札監視委員会の意見聴取)
  ・発注者別評価点の導入(発注者の適切な企業評価⇒企業経営の健全化)
  ・指名停止措置基準の改正(課徴金減免制度に伴う措置基準の適用)
  ・検査体制の強化(施工体制等の確認、専門工事における外部委託)
〔所感〕

 入札の基本は、当然のことながら公正、公平で透明性が図られ、競争性が高まる制度であります。
 汚職や談合、ダンピング問題、低入札による下請け、孫受けの低価格化、また、市町村合併に伴う競争力の高まりによる旧町企業の衰退等、さまざまな問題があり、なかなか理想的な入札が進まないのが現実です。こういった問題を解決するため、松阪市では「地域指定型条件付き一般競争入札」や「くじ」による入札制度を実施し、また、「入札等監視委員会」を設置し、入札の厳正さを維持しています。
 本市においても、こういった制度の導入について、検討していくことはもちろんのこと、価格のみの競争だけではなく、総合評価制度での入札を増やし、評価項目の選定や工事内訳書の精査等をしっかり行い、適正価格による契約と地域経済の活性化に資する入札制度に向けて取り組む必要性があると考えます。

○三重県伊勢市 電子入札制度について
〔内容〕
(1)伊勢市電子入札システムの概要について
  伊勢市では、応札者の負担軽減、受注機会の拡大、入開札事務の効率化及び透明性の確保のため、平成20年度から電子入札システムを導入しています。
 対象業種は、工事、測量コンサルタント関係に係るものは、130万円を超えるもの物品、印刷、その他業務委託に係るものは、10万円を超えるものです。
 電子入札システムを利用してできることとして、主に以下の三点が上げられます。
 @広告から入開札までの一連の入札業務につき、インターネットを利用して行う。
 A入札参加資格の「変更届」等につき、インターネットを利用して行う。
 B「入札結果」、「発注見通し」等につき、インターネットを利用して閲覧できる。
 原則、通常の発注条件として市内(支店)業者を対象とする入札を電子入札の対象とし、電子入札と紙入札の併用は行わないこととしています。
(2)システム構築に係る流れ
  平成18年度以前からシステム導入の検討を行っており、平成19年度にシステム構築に係る導入業務委託契約を行いました。
平成19年度から平成20年度末にかけて、業者向けに「導入について」、「対象範囲」、「必要なPCのスペック」等アナウンスを行い、また、4回の説明会を開催し、周知を行いました。
 平成19年度の導入経費については、
 ・伊勢市電子入札・物品調達システム導入業務委託費5,880万円
 ・追加業務委託費 362万2,500円
 ・インターネットシステム設定変更業務委託費 42万7,245円
 ・伊勢市電子入札・物品調達システム証明書発行業務委託 118万1,250円
 ・PDFファイル変換ソフト購入代金 115万3,950円
  合計 6,518万4,945円
 また、平成20年度から平成22年度までの運用経費は、
【平成20年度】
・伊勢市電子入札・物品調達システム運用保守業務委託費 1,438万5,000円
・電子認証システム及び電子公証システム共用分担金    390万円
 (※横須賀市のサーバー利用分担金)
 合計 1,828万5,000円
【平成21年度】
・伊勢市電子入札・物品調達システム運用保守業務委託費 1,055万2,500円
・電子認証システム及び電子公証システム共用分担金    390万円
・伊勢市電子入札・物品調達システム機能改修等業務委託費 504万円
 合計 1,949万2,500円
【平成22年度】
・伊勢市電子入札・物品調達システム運用保守業務委託費 1,013万2,500円
・電子認証システム及び電子公証システム共用分担金    370万円
 合計1,383万2,500円
となっています。
(3)効果、実績
【平成20年度 H20.7〜H21.3】
・総入札件数 698件(電子入札件数534件 76.5%)
【平成21年度 H21.4〜H22.3】
・総入札件数1,099件(電子入札件数927件 84.3%)
【平成22年度 H22.4〜H23.3】
・総入札件数 929件(電子入札件数787件 84.7%)
〔所感〕
 電子入札制度は、導入コスト及び維持管理コストは掛かるが入札応札者が来庁しなくてもよいことや図面等もダウンロードできること、24時間体制で受付が可能なことなど、応札者への軽減が図られ、また、開札事務に係る行政職員の負担軽減も認められるということでありました。
 認証、公証システムが横須賀市の第三者機関で行われており、業者同士が直接顔を合わせることもなく、談合などが可能な限り排除される仕組みとなっているとのことです。
 本市においても、基幹システムとの整合性等を考慮の上、維持管理の簡易性、利便性等を勘案すれば、導入する必要があると考えますが、課題として、パソコンの進化に対する行政経費をどのように抑え、対応していくのか、また、災害時や停電時における課題があるとの話であったので、その辺も踏まえ、検討していくことが必要と感じました。

○岐阜県各務原市 公会計制度について
〔内容〕
(1)公会計「基準モデル」について
@概要
 平成18年6月に成立した「行政改革推進法」を契機に、地方の資産、債務改革の一環として、「新地方公会計制度の整備」が位置づけられました。地方公共団体は、総務省の「新地方公会計制度研究会」が示した「基準モデル」又は「総務省改定モデル」に沿った発生主義・複式簿記の考え方を導入し、地方公共団体単体及び関係団体の連結ベースでの4つの財務諸表を整備することとなったことから、各務原市においては、平成18年度決算に基づく財務4表を平成20年3月に、平成19年度決算版を平成21年3月に、平成20年度決算版を平成22年3月に公表してきました。
 各務原市は、事業展開を積極的に行い、また、将来に財政の付けを残さないことを同時進行に行うことを基本スタンスとしており、国の財源が不明瞭な中、新公会計制度の下、財政を確実に把握し、それを反映させていくことで、ブレーキをかけるものではなくて、その事業展開を担保するために必要であるとしています。
A導入理由
 現在の市の資産を的確に把握することを目的とし、加えて、職員の意識改革にも役立つのではという考えもありました。というのも、資産の棚卸の際、各主管課で資産価値を計算する作業が必要なため、多くの職員の関与が不可欠だったからです。
Bメリット
 財政の健全化に関することです。(会計データが精緻で、将来世代の負担もみることができる)新たな公会計制度に基づいて財務諸表を公開すれば、資産、負債の情報が露わになります。さらに、国の財政状況も非常に厳しい中、政府系の財政融資資金の活用に頼るのではなく、外部資金調達の視点から民間の金融機関にも財政状況を的確に判断してもらえるという点があります。
C導入コスト
 初期コストで約800万円。年間の保守管理については、委託コンサルと価格交渉を行い年間31万5,000円(保守管理費用)で行っています。
(2)取り組み
@「基準モデル」に基づく財務4表の公表
 平成18年度中にコンサル会社と接触。平成19年度当初予算に費用を盛り込み、年度末の公表が最短と判断し取り組みました。
・ 人が変わっても、戸惑わず作成できる体制の確立
・全職員が通常業務を行いながら財務4表を作成する体制 が必要です。
A財務4表の概要
 資産評価基準として、道路について事業費が不明なものは、幅員標準工事費を適用しています。道路台帳整備以前の道路は、全て半分減価償却済みとしています。底地評価は、市の平均固定資産価格です。
 橋梁については、個別に事業費により評価。延長14m未満は、道路と同様に平均単価で評価しています。
トンネルは、過去の事業費で評価しています。
 土地は、固定資産概要調書から市街化区域、市街化調製区域ごとに地目別評価額を算出します。
 建物は、購入価格から評価します。価格が不明な物件は、全国市有物件災害共済会の再調達価格から算出します。
 減価償却費は、基本的に法人税等に採用している耐用年数で算出しています。
 退職手当引当金については、仮に全職員が退職してしまった場合、引当金としてどれくらいのお金が発生するのかというものを財務諸表に反映させることによって、場合によってはこのようなコストが発生するという意味で掲載しています。
(3)公会計制度に係る今後の展望
  国、地方ともに厳しい財政状況、また、財政状況への関心の高まりや社会資本の大規模な更新需要の発生見通し、地方分権とともに求められる住民への説明責任、少子高齢化といった社会情勢の中、
・事務事業評価(政策評価)と財務情報の分析
・情報開示と説明責任
・公共施設等の長寿命化計画策定を想定した資産評価
といったことが重要になってきます。
 新公会計制度においては、自治体が所有する全ての資産と債務をリアルタイムで把握でき、市民一人当たりの資産や負債額等もあきらかになるという点で、分析、説明が容易となります。
 各務原市では、今後も財務諸表を作成、公表し、財務状況を総合的に分析して、適正な財政運営に反映させていくこととしています。
〔所感〕
 公会計制度改革とは、現金主義・単式簿記を特徴とする現在の地方自治体の会計制度に対して、発生主義・複式簿記などの企業会計手法を導入しようとする取り組みで、全国の自治体で進められています。
 各務原市は、いち早く公会計制度改革に取り組み、「基準モデル」を採用した自治体であり、市民一人あたりの資産額及び負債額まで公開しています。
 公会計制度の改革には、システムの構築、機能追加等に掛かる初期投資、ランニングコストも含めた運用面等の問題もありますが、言うまでもなく、その目的は、制度・業務とシステムの変更だけでなく、PDCAサイクルによるマネジメント能力向上やアカウンタビリティーの遂行など行政改革推進の一環でもあります。
 住民一人当たりの負担、将来世代の負担を数値として可視化し、財政を確実に把握し、それを反映させていくということで、新公会計制度は各務原市と同様に必ずしも自治体の運営を制御するものではなく、確かなものとするために必要であると考えます。
 本市においても、健全財政を確認する意味で、市民の皆さんにわかりやすい、開かれた財政運営、分析徹底を図らなければならないと再認識しました。
各務原市での視察風景

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