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委員会行政視察報告

平成25年度 総務委員会行政視察報告(5月14日〜16日)

1 参加委員
委員長 重見秀和  副委員長 田中 勇
委員 藏成幹也、氏永東光、原ひろ子、菊地隆次、小田村克彦、上田好寿

2 視察月日
平成25年5月14日(火)〜16日(木)

3 視察先及び視察事項
・愛知県大府市:「健康」を核にした都市づくりについて
・千葉県香取市:歴史的町並みを活用したまちづくりについて
・神奈川県川崎市:川崎市シティセールス戦略プランについて

4 視察目的
【大府市】
・本市の後期まちづくりの重点戦略の一つである「成長戦略」及び「いきいき健康長寿戦略」の参考とするため、「健康」を核にした都市づくりに取り組んでいる先進事例を調査するため。
【香取市】                
・本市の「大内文化まちづくり推進計画 地域の歴史と文化を生かしたまちづくり」の参考とするため、歴史的資源(佐原の町並み)を活用したまちづくりに取り組んでいる先進事例を調査するため。
【川崎市】
・本市が取り組むシティセールス推進事業の参考とするため、「川崎市シティセールス戦略プラン」を策定し、様々な取り組みを展開している先進事例を調査するため。

5 視察概要 
○愛知県大府市:「健康」を核にした都市づくりについて
【内容】
 大府市は、面積33.68ku、人口約8万8千人。名古屋市に隣接するベットタウンで、現在も、年に約1千人の人口が増加しており、昨年は小学校を1校増設しています。産業は、自動車関連の企業を中心に工業が盛んです。また、伊勢芋やぶどうの生産量が愛知県内1位など農業も盛んです。
 大府市の健康に関する取り組みは、昭和50年に大府市第一次総合計画で「明るい、住みよい、豊かな健康都市」をテーマにし、昭和62年には「健康づくり都市」宣言を行い、「健康都市」をまちづくりの基本的な理念に掲げています。
 ウェルネスバレー構想については、もともとは、昭和13年に傷痍軍人愛知療養所が開設した土地(ほとんどが国有地、県有地)で、だれも手を出さないような場所でした。その場所に、平成6年に「あいち健康の森公園」(県)の開園、平成9年に「あいち健康プラザ」(県)の開設、平成12年に「げんきの郷」(JA)の開所、平成13年に「あいち小児保健医療総合センター」(県)の開設、平成16年に「国立長寿医療センター」(国)の開設がされるなど、現在では、健康・医療・福祉に関する施設が多数立地する健康長寿分野関連機関の集積地となっています。
 平成21年に大府市と東浦町では、あいち健康の森とその周辺エリア(約90ha)を「ウェルネスバレー」と名付け、この地区が健康長寿の一大拠点に発展することを目指し、「ウェルネスバレー基本計画」を策定しました。
平成23年には、超高齢社会を前向きに乗り越えるための連携体制を構築し、先駆的な取り組みを推進するため、国、県、市、町、民間等を構成メンバーとして、「ウェルネスバレー推進協議会」を設立しました。活動のコンセプトとして、「だれもが、ここに生まれてきてよかった、ここで暮らしてきて幸せだった」と思える「幸齢社会」の実現を目指しています。具体的に取り組む内容については、各ワーキンググループで協議し、ウェルネスバレー推進協議会が計画の決定を行っています。
 その後、次世代産業(健康長寿産業)の創出や実証事業の展開として、関係機関・民間企業との連携事業、企業関係者等を対象にしたイベントの開催、大学と連携した健康長寿産業関連の取り組みを行っています。その他にも、現在、2年後のオープンに向けて薬草園の整備を行っています。
【所感】
 まず、JR大府駅に着いた時点で、ウオーキングコースの表示やパンフレットの設置、駅前のロータリーには「健康都市」のモニュメントがあるなど、「健康」をキーワードにした都市づくりへの取り組みがうかがえました。
 健康都市宣言を行うことにより、市の施策のベクトルを健康に向け施設の集積を進めており、その手法の一つとして国、県等の施設の誘致に力を注いでいます。その結果、ウェルネスバレーは、国、県、民間の施設が集積されたため、大府市が実施するハード事業は道路等のインフラ整備のみで、財政的にも負担が軽いということでした。ソフト事業においては、推進協議会をつくり、官民連携による連携事業やモデル事業を実施しており、国、県、産業界と地域住民をうまくコーディネートさせていく取り組みこそが、この恵まれた環境を活かすポイントであると考えられます。
 「健康づくり」を広く市民サービスの理念において、それを積極的に現有財産を活用しながら伸ばしていき、結果として高齢化社会(幸齢社会)実現に向けて積極的に進めていくこととしていることには、市民目線での取り組みであり評価すべきところであると感じました。
 本市においても、あくまでも「健康」を主眼として計画性をもって進める必要があります。ややもすると、成長戦略ありきで選択してしまう危うさが伺われます。山口市民が何を望んでいるかを主体として、湯田温泉や周辺の施設、自然、知的文化、大学等を含め、これらを研究、検討し、今後の取り組みを熟慮する必要があるのではないかと考えます。
 本市も昨年末に「元気いきいき条例」を施行しており、大府市のように「幸齢社会」を目指していく必要があると感じました。

視察風景 視察風景


(2)千葉県香取市 歴史的町並みを活用したまちづくりについて

【内容】
 香取市は、面積262.31ku、人口約8万3千人。千葉県の北東部に位置し、東京から70km圏、千葉市から50km圏ではありますが、交通インフラが弱いこともあり定住人口が増えないという課題をもっています。
 佐原は、江戸時代に利根川水運の要衝として飛躍的な発展を遂げたまちです。中央を流れる小野川やこれと交差する香取街道沿いに、往時の繁栄を物語る商家群が残っています。そのため佐原は、日本有数の歴史的な町並みとして注目されており、昭和49年、昭和57年に「町並み保存型まちづくり」に向けた提言がされましたが、行政、住民が「再開発型まちづくり」を志向していたため再開発の目途が立たないまま、商圏は縮小、経済活力は低下していきました。その当時は、「古い町並み(細い道路)」、「小野川(当時は汚かった)」、「山車行事(平成16年に国指定重要無形民俗文化財に指定)」が3悪と呼ばれ負の遺産でした。
 しかし、昭和63年のふるさと創生資金の使い道として伊能忠敬と古い町並みが脚光を浴び、その後、平成3年に「小野川と佐原の町並みを考える会」(現NPO)が発足するなどして、官民協働によるまちづくりの取り組みがスタートしました。そして、佐原市佐原地区町並み形成基本計画の策定や佐原市歴史的景観条例の制定を行い「町並み保存型まちづくり」が推進され、平成8年に「伝統的建造物群保存地区」、その外側に「景観形成地区」を指定し、関東地方で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。その時の地区同意率は92%という驚異的な数字でした。平成10年に「伊能忠敬記念館」の開館、平成13年「佐原市中心市街地活性化基本計画」を策定するなどして、住民団体との強固な協働体制が確立してきました。建造物の保存修理には、文化庁、国土交通省の補助制度を活用し、町並み保存が主体で行われてきました。
 しかしながら、観光はあっても経済に反映しないことから、平成15年からは、ソフト事業への展開として、多様な事業を活用し、佐原まちぐるみ博物館、小江戸佐原の骨董市(月1回、10万人の来場)、町並み案内観光ボランティア活動、河川清掃などが行われています。また、大学と協働したまちづくりとして、学生プロポーザルも実施し、地区施設整備も行われました。平成21年には、建築物の耐震補強、地場産木材需要拡大、まちづくりの担い手育成を目的として佐原町屋研究会を設立しています。
 平成23年3月11日の東日本大震災により甚大な被害を受けましたが、復興も進み、小野川では観光船運が再開するまでになっています。
【所感】
 まちづくりの手法として、国、県の補助制度を研究しうまく活用しています。
 個人の財産に対して、制度により制限をかけたり、税金を投入するという難しい問題等はどう対応したかという質問に対しては、保存建物が公共空間に面しているという理由から、公共空間に対する規制、税金を投入することにより経済効果があるということで投資を行うという考えで実施したとのことでした。また、全員が賛成ではなかったが、行政が強力に主導して進められました。そのため、まちづくりに行政が関わりすぎたこと、補助により何でも行政がするものと誤解される、もう少し市民の自律的な活動(住民意識の低下)といった反省点があるとの説明を受けました。そうしたことから、事業提案(プロポーザル)を主体として、地域が共に同じ立ち位置で取り組む事業提案なり、市はあくまでも補助的な協力をしていくような行政でなければならないと感じました。
反省点等があるものの、長年にわたって町並みを整備され、観光客へのボランティアによる対応、大学と協働したまちづくりなど、まちの価値を上げるという観点からは素晴らしい事業であると感じました。また、地震により大きな被害を受けましたが、それを契機に景観を損なう建物の撤去に取り組むなど新たな飛躍を目指す姿勢にも感心させられました。
 本市においては、大内文化や明治維新胎動の地など、歴史的価値では全国でも有数と思われますが、なかなか思い切った施策ができていません。香取市を参考にして、各省庁での文化財保護やまちづくりなど、特に大殿地区の町並みづくりや小商いのできる町並みづくりが必須と思われます。そのためには、市民、周辺部を含め誇りの持てる町並みの保存への意識高揚を図ることが大事だと考えます。併せて、文化財や史跡などの保存建物の耐震化についても、今後の課題とする必要があります。また、本市では、観光資源を全国に発信する力が弱すぎます。企業誘致同様、観光客誘致も今以上抜本的に施策・費用を投じて、その効果を受ける湯田温泉など、民間活力をしっかり発揮させる努力も必要です。

視察風景 視察風景


(3)神奈川県川崎市 川崎市シティセールス戦略プランについて

【内容】
 川崎市は、面積144.35ku、人口約144万人。神奈川県の北東部に位置し、北は東京、南は横浜市にそれぞれ隣接しています。京浜工業地帯の中核として発展し、昭和30年代後半から、東京のベットタウンとして急激な宅地開発と人口増加が続きました。全国的に人口が減少する中、現在も人口が増え続けています。
 川崎市のシティセールスの取り組みは、平成15年に総合企画局にシティセールス担当(職員2名)の設置からスタートしています。平成16年にアンケートを実施した結果、都市イメージとしては、「産業のまち」と「公害のまち」、イメージ評価は、悪い、やや悪いの合計が、良い、やや良いの合計より多く、マイナスイメージが根強いという結果でした。そこで市のイメージアップや都市ブランドの構築に向け、「川崎市シティセールス推進懇話会」を設置し、1年かけて報告書を作成し、それを基に「川崎市シティセールス戦略プラン」を策定しました。
 川崎市基本構想に掲げる基本政策の一つであります「個性と魅力が輝くまちづくり」で、川崎の魅力を育て発信し都市イメージの向上を図ることして、4つの重点戦略(イメージ戦略)と5つのプロモーション戦略を体系づけして、様々な事業を全庁的に実施しています。推進体制も広報部へ移管し、2名から7名体制としています。
 シティセールスとして、テレビ、報道等メディアに取り上げてもらうため、マスコミとの関わりの深いPR業者をプロポーザルにより決定し委託しています。その他に雑誌等への広告掲載、映像制作、多言語(英語、中国語、韓国語)のパンフレット作成、海外向けメディアへの発信、ソーシャルメディアの活用など実施しています。その結果、平成18年の調査では、良いイメージが悪いイメージを逆転しています。また、旅行情報誌の「るるぶ」や「川崎Walker」も作成しています。
 事業効果としては、PR会社の委託に1千万円、新聞広告や雑誌に1千万円、かわさきFMに5千万円、その他含めて1億円以上の事業費をかけていますが、広告換算額で25億円の効果があったとのことでした。
 平成17年からは、「川崎イメージアップ認定事業」として、市民や民間の事業者、団体から川崎のイメージアップにつながる事業を募集し認定しています。毎年20〜40件程度の応募があり、7〜9事業を認定しています。直接経費の2分1で50万円を限度に補助しています。認定から漏れた事業であっても、実施する事業については、広報による支援を行っています。同様の事業を区単位でも行っています。
【所感】
 あらゆるチャンスをつかまえてシティ―セールスを行う、庁内一体で推進していくなど、川崎市には、シティセールスに対する意気込みが強く感じられました。また、「金を使うことより、工夫してやれ」という市長の言葉が印象深かいものでした。
 PR会社とも契約をして、雑誌社やテレビ局、マスコミ等にも積極的に取り上げてもらえるような仕組みづくりをしていることはたいへん参考になりました。本市においても、観光宣伝に経費をかけて、例えば「東京モノレール」や「JR山手線」のつり広告に、インパクトのある「山口・大内文化・維新・ちょうちん祭り…」などの写真入の広告を、年に数回実施するなど、全国向けのアピールにしっかり宣伝広告費を使用し、都市からの観光客誘致を行い、その後、事業成果を確認するなど、もっとチャレンジする必要があるのではないだろうかと感じました。また、市職員の若手でプロジェクトチームを作り、職員自らが取り組むことや、プロポーザルでのPR業務委託も含め、真剣に取り組んでいく必要があると感じました。
 「川崎市イメージアップ認定事業」については、民間からのアイディアを募集する取り組みについて、本市でも参考とすべき事業でした。
 市民や事業者など地域構成する主体がそれぞれの立場から参加し、対外的な知名度やイメージの向上、魅力の発掘、創出など「個性と魅力かがやくまちづくり」の推進に向けたまちづくりの手法は大変参考になるものでした。

視察風景 視察風景


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